『妊娠線』とは『肉割れ』『ストレッチマーク』とも呼ばれる、薄く幅の狭い赤斑です。
細い線や帯状、または縞模様になっているもので、白い肌に浮き出た赤や赤紫の線は痛々しく、出産後も簡単には消えてくれません
通常は妊娠の後期に表れるもので、場合によってはお腹だけでなく胸や太もも、腰などにも発生することがあります。
柔らかく脂肪のある場所にできるのが特徴でもあります。

妊娠線の発生メカニズムを知りましょう

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妊娠線は真皮が引き裂かれることによって生じ、急速な成長や急激な体重の変化によって起こるものです。
妊娠中にコルチゾールというホルモンが皮膚の柔軟性を失わせ、妊娠線の出現や重症度を増加させます。
線維芽細胞を形成するコラーゲンエラスチンヒアルロン酸と言った真皮や結合組織の成分が張り詰めて急速に成長し、皮膚を維持するために必要な繊維を引きのばすのです。

皮膚は表皮、真皮、皮下の3つの主要層で構成されています。
急速な膨張または収縮によってその柔軟性を超えて伸長されている皮膚の中間層に形成されます。
皮膚が引き伸ばされ、コラーゲンは弱体化し、正常なターンオーバーが不可能となり損傷すると妊娠線が体に現れます。
表皮の下に細かい傷跡となって残るのです。
ピンクや赤、時には赤紫に見えますが、時間が経つと細かく銀色のラインが皮膚表面に現れます

妊娠25週を過ぎたあたりからお腹が目立ち始め、この時期に妊娠線も気になり始めます。
臨月になってから突然ピキピキと皮膚が裂ける感じがして、一気に妊娠線が広がるケースもあります。
若い妊婦のほうが高年出産妊婦よりも出現率が高い傾向がありますが、個人差も大きいので油断は禁物です。

妊娠線ができてしまうと、自分の外見に自信がなくなります。
健康上は大きな心配はないのですが、非常にデリケートなエリアであり、パパの目も気になります。
温泉や海、プールなどのレジャーにも影響を与えます。
時間とともに薄くなりるものですが、すぐには治らず、見た目もよくないので、できることならば妊娠線を作らないで出産に至りたいものです。

クリームやオイルであらかじめ予防しよう

妊娠線が出現し始める前には皮膚が薄く、ピンク色になることがあり、ムズムズとかゆみを生じるケースもあります。
そうなってからではもう遅いのです。
痒いからといってかきむしるのは厳禁。寝ている最中に消えない爪痕を残すことも避けたいところです。

マタニティフォトを撮影する計画のある妊婦は妊娠線の出現に絶望するかもしれません。
でも大丈夫、現在のデジタルフォト技術は妊娠線の事後修正ができるので、フォトスタジオにしっかりとリクエストしてみましょう。
妊娠してから突然出現した正中線も修正可能な場合が多いのですが、その他、産毛や下着のラインにも要注意です。

クリームやオイルは皮膚にうるおいを与え、伸縮性を高くしますので、妊娠線の予防や軽減に有効です。
病気ではありませんのでレーザー治療には数万円から数十万円かかりますし、グリコール酸、皮膚剥離の外科手術、医薬品のトレチノインなどの手段もありますが、確実に治るという方法はありません。
高価な治療は経済的な負担も大きくなりがちなので、妊娠線ができる前に予防ケアすることがとても大切です。

古くは古代ギリシア人やローマ人がオリーブオイルで妊娠線のケアをし、エチオピアではフランキンセンスの精油を用いたようです。
古代人も妊娠線に悩んでいたとは意外なものですね。

妊娠線予防には毎日ケアを継続するのが肝心

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特に妊娠線ケアに有効なのはお風呂あがりです。
皮膚が柔らかくなり、湿度を保った状態でやさしくクリームやオイルを塗り、乾燥を防いで弾力のある皮膚をキープすることが重要です。
毎日の顔のケアが終わったらそのままボディの妊娠線ケアをしてしまいましょう。

両手を使ってぐるぐると円を描いてマッサージします。
そのあとでサランラップを巻いて仰向けになったら蒸しタオルをお腹に置くとより高い効果が望めます。
ソフト湯たんぽを使うのもいいです。
20分ほど患部を温めましょう。
蒸しタオルは電子レンジで簡単に作れます。
フェイスタオルを水で濡らし、30秒ほどチンします。

熱すぎる蒸しタオルはやけどの原因となり、新たな皮膚トラブルを引き起こしますので、必ず適温にしたものを使うことが大切です。

このケアはお腹が張っていると感じるときには控えてください。
張りがひどいと感じるときにさするのは症状がひどくなるのでNGです。
張りを感じるときには、ケアしたい場所の表面にサッと塗るだけにしましょう。

まとめ

楽天市場やアットコスメ、Amazonなどのクチコミを参考にすると先輩ママの体験を活かすことができます。
ドラッグストアで購入することもできますが、インターネット通販を利用すると簡単で手軽に好きな商品を手に入れられるためおすすめです。
試供品で実際の使用感を体験することができる商品もありますので、高い買い物をする前に確認したいところですね。

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化し、肌が敏感になり、匂いに過敏になる時期でもあります。
無添加、低刺激で肌にやさしく、無香料もしくは微香料のクリームやオイルがベターです。
毎日継続して行ない、たっぷりとクリームを塗ってマッサージしたいところです。
あまりに高価なクリームを選ぶと、十分な量を使うことができなくなる場合がありますので、フトコロ具合と相談しながらリーズナブルなクリームを選ぶとよいでしょう。